ブラック研究室で能力を過信して就活失敗した後輩の話

実力がないのに能力が高いと過信した後輩が就活を失敗した話

私は学生時代、専攻内では有名なブラック研究室に所属していました。そこでは博士課程の学生が失踪したり、ヤバい事を教授に言われたりして非日常を楽しんでいたのですが、私がM2(修士課程2年目)になるころに後輩が数人入ってきました。私の大学は大学院から外部の学生が大学院試験を通って入学してくるので、M2になるとM1の後輩が新しくできるのです。

その後輩の中に今回記事の主人公になるF君がいました。

F君は高専出身で、高専の仕組みはよく分かりませんが22歳まで高専に通う事で大卒相当として認められるようです。そこでF君は22歳まで高専にいて、そこから大学院試験を通って私のいる研究室に入学しました。

このF君は入学時点から結構態度がでかく、「俺は優秀ですよ?」みたいな感じでした。私は会ったばかりでその当時は彼の能力の程度が分からず、「あ~すごい人が来たんだなぁ」と思っていました。

研究室内には3つの研究分野が存在し、私とF君は異なる研究分野だったので彼の能力を把握する機会は週に一回の研究報告会のみでした。研究報告会では実験の結果が出た学生が任意でレポートを提出し、研究室内の人からレビューをもらうことができます。

この時に提出されるレポートから各学生の能力が大体推察できるのですが、F君はほとんど提出しなかったので私視点だと何も判断できない状態でした。

しかし、F君は教授と連絡を取り合いながら実験を続けていたのでそこまで叱られる事もなく、ひょうひょうと研究報告会をすり抜けていました。

この教授はめちゃくちゃ厳しい人で、間違った行動を取るとすさまじい音量で怒鳴る,蹴るが入るのでそれを受けなかったF君の事を私は優秀なんだなぁと思っていました。それが勘違いだと気付くのがM1が12月に実施する定期発表のときでした。

定期発表で露呈するF君の能力

定期発表とは大学によって若干日程や回数に違いがありますが理系修士学生の研究進捗発表会で、卒業までに数回のプレゼン発表を行います。

このプレゼン発表は結構重要で、このプレゼンの内容で優秀学生の指定などが入ったりします。ちなみに私は選ばれていません!

私はM2なので最後の卒業発表を残すのみだったのですが、M1のF君は12月に進捗発表を行う必要がありました。このとき初めて知ったのですが、12月までのF君の実験成果がズタボロだったのです。4月から12月まで何をしていたのかを問い正しくなるほどでした。

なぜこんな事になっていたのかを後から知ったのですが、どうやら教授はF君に対して「教授が興味本位で確認しておいて欲しい実験内容」を支持しており、F君はそれだけを行って教授に報告していました。しかし教授は「F君は自分が依頼した実験とは別に、F君がやるべき実験もやっているだろう」と思い込んでいたようです。

まぁどうなるかは皆さんもお分かりだとは思いますが、教授の怒りがピークに達して大変な事態になりました。研究室内の全員が緊急で集められ、F君を糾弾する会が始まってしまい、F君は大粒の涙を流しながら急いで実験プラン作成とプレゼン資料の金型を作成していました。

ただF君の能力は正直言って低かったのでプレゼンの金型も出来が悪く、実験プランも何がしたいのか良くわからない物でした。

ちょっと生意気でしたが可愛い後輩のためにM2と博士課程学生が集まって実験をこなし、F君はなんとか発表を行うことが出来ました。

これでちょっとは懲りるかと思いましたが、F君は絶望的状況から発表できたことで根拠のない自信を持ってしまっていました。

そして始まる就職活動

私はM2だったので当然就活なんて終わっていましたが、F君は12月から就活が始まります。正確には4月から選考開始だったのですが、12月から企業説明会などがあり、修士学生はかなり忙しくなる時期です。

私が所属していたようなブラック研究室は伝統として、就活が終わっている先輩は後輩の就活を助けるという文化があります。

そのため後輩の就活状況を把握できるのですが、なぜかF君だけ就活に関して何も聞いてきませんし、会社説明会に行っている間のGPS預かりを頼んできません。(GPS機能をついた端末を学生は持たされており、それを先輩が持っていてあげる文化がありました)

そこでF君になぜ会社説明会に行かないのか聞いてみたのですが、なんか良くわからない返事が返ってきました。まとめると

  • 就活に12月から焦って参加するのは無能
  • 良い研究をしていれば会社が見つけてくれるかも知れない
  • 本気で就活を始めればすぐに内定を取れるから12月からやるのは無意味

こんな感じの事を言っていました。なんというか勘違いここに極まれりといった感じでしたが、F君は就活を始めたらすぐに内定を取れるという自信に満ち溢れていることだけは分かりました。

このあたりで私も完璧に彼の末路を察し、静観することにしましたね。

私が就職後、冬のボーナスで後輩に焼肉をおごった話

それから4月になって私は製造業の会社に入りました。1年目は本当にいろいろとありましたが、ブラック研究室で鍛えられていたお陰で何とかノルマを達したりしていました。

入社して10か月間が経ち、冬のボーナスが入った段階で後輩に連絡を取り、おごるから焼肉に行こうと誘いました。

そして後輩3人となぜか着いてきたタイ人の博士学生(同じ研究室の先輩)と一緒に牛角の食べ放題、飲み放題コースをおごりました。(会計は3万5000円くらいだったはず)

そこでF君の進路を聞いたのですが、どうやら数百人規模の非上場企業に入っていました。別にそういった会社に入る事が悪いことではありません。ただ学生時代にF君の希望する会社を聞いていたのですが、どれも日本人ならみんな知っているような大企業ばかりを希望していたので、F君の希望通りの結果にはいっていない事が分かりました。

まぁそうなるだろうなぁとは思っていましたが、久しぶりに会ったF君はそれでも自身の事を優秀だと信じて疑わない発言をしていたので、おそらく就職後もかなり痛い目を見るだろうなと思っています。

残念な事に就職してから彼と連絡を取っていないので真実は分かりませんが、私が思う人間に必要な能力の1つとして、「自身の能力を客観的に見ること」がF君の存在によって追加されました。その点ではF君は私に多大な知見を与えてくれた恩人ですね。

今回の記事はここまでにします。私のサイトでは他にも画像処理WEB関連について情報発信していますので興味があれば是非そちらも見て行ってください。

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