すごい優秀な同期が博士課程に進学したときの話

大学院で同じ研究室だった同期が博士課程に進学した結果

私がまだ理系修士学生だったころ、私は専攻内でも有名なブラック研究室にいました。

教授が非常に厳しい人で、熱血的な指導が売りの研究室だったため途中でやめてしまう人や博士課程の学生が失踪したりするハッピーな研究室でした。

そんな研究室でしたがなぜか集まっている学生のレベルは高めで、学部時代の成績がほぼオールA(私の大学では100点満点で評価されるので換算値)のK君が同期として所属していました。

このK君は冗談抜きで優秀で、学部では優秀学生として表彰されていましたし、学部時代の成績を見るとほぼ90点以上しかありませんでした。当然専門知識もすさまじく、研究室の研究分野については私なんて足元にも及ばないぐらい知識量が多かったです。

そんな優秀な同期だったK君は教授からの信頼も厚く、K君以外の研究室メンバーは研究報告会(週一の進捗報告会)で号泣した経験がありますが教授はK君だけは怒鳴らないのでK君だけは完全に特別な存在となっていました。

後ほど失踪する事になる博士課程のYさんは月に1回は最低でも研究報告会で泣かされていたので、それを考えるといかにK君が異次元な存在かわかると思います。一時期なんてYさんは毎週泣いていて、一部の人(主に私)から「今週のノルマ」と呼ばれていたのに・・・。

まぁでもK君の実力はすさまじかったので、博士課程の先輩を含めて誰からもK君が特別扱いされることに不満を言われませんでした。実力者が優遇されるなんて本来当たり前ですからね。

K君の博士課程進学

K君は研究でも類いまれな才能を発揮して、修士1年目の段階でかなり多くの実験結果と成果を出していました。近い研究をしている東北大学にも出張して実験をしたりと、学生とは思えない働きを見せていました。

そして修士2年になると就活もほぼ終わり、進路が固まるのですがK君だけは進路が決まっていませんでした。それもそのはず、すでにK君は博士課程への進学を考えていて、教授からも推薦をもらっていたのです。

しかし、日本で博士課程に進学するのは簡単な道ではありません。理系修士であれば就職活動では無類の強さを誇り、さらに高い自由度をもって企業選びをできるのですが、博士課程に進学してしまうと卒業するのが27歳になることもあって就職先はかなり狭まります。自分の研究内容に近しい分野の研究職くらいしか主な就職先は無いと言っても過言ではありません。

しかし、K君は親が大学教授という事もあり、教授になるという夢を持っていました。教授になるには博士の学位取得は必須です。そのため彼にとっては博士進学は夢をかなえるために必要な道だったんでしょうね。博士課程に進学することに少しも躊躇がなかったです。

正直私はK君の事を本当に尊敬していましたし、同じ研究室に所属できた事に誇りさえ感じています。K君が有名になって、いつか「この人と同じ研究室にいたんだ」と自慢できる未来がくると思っています。

博士課程進学後のK君

そして私は就職、K君は同じ研究室で博士課程に進学しました。

それからは数か月に一度程度のやり取りになりましたが、彼は返済義務のない奨学金を無事取得し、順調に論文を執筆するなど模範的な博士課程の学生をやっていたようです。

しかし、私の研究室はあまりお金がなく、優れた実験設備を持っている訳ではありませんでした。国立大学なので研究予算は多いのですが、研究室ごとの差が激しく、あまり立場が強くない私の研究室は予算も少なくあまり良い研究ができませんでした。

正直研究なんて研究者の能力よりも設備の性能で差が出る分野なので、K君がどれだけ優秀でも他研究室の人の方が成果を出すと言っていました。

それでもK君は博士課程の卒業条件を満たすだけの論文数を発行し、3年間で無事博士課程を卒業しました。そしてポストドクターと呼ばれる、助教授になる一歩手前のポジションに着きました。ただこれは博士課程を終えた人の鉄板パターンです。

ポストドクターになってからの数年

K君がポストドクターになってから問題が発生したようです。どうやら研究室には助教授や准教授の定員数が存在し、助教授になるためにはポストが空いていないようです。

これが博士課程の人間が最も苦労する部分で、どれだけ優秀だろうと強いコネクションがないとポストに座ることができません。優秀な人でもポストが空いていて、かつ競争相手に勝てないといいポジションには座ることができないのです。

K君も私にさんざん愚痴っていましたが、結局は民間企業に就職していきました。やはりK君は優秀だったのですぐに大手企業の研究職に内定していましたが、彼のアカデミックな進路での教授への道は閉ざされてしまったようです。

まぁ個人的には同じ教授でも会社での勤務経験がある教授の方が現実的な視点で物を言ってくれる傾向があると思うのでK君にとって悪い事ではないと思いますが、本人はやはり不満を持っていたようです。

大学でも優秀な人間だからといって正当な評価は得られないのかも知れませんね。私はK君とポスト争いをしていた人の能力を知らないのでなんとも言えませんが・・・。

今回の記事はここまでにしようと思います。私のサイトでは他にも画像処理WEB関連について情報発信していますので興味があれば是非そちらも見て行ってください。

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