ひろゆきさんの工場についてのコメントを見た生技社員の感想
大人気Youtuberと化しているひろゆきさんの動画にコメントする
私はとある機械系会社の生技社員として働いており,ひろゆきさんが工場のラジオ体操についてコメントをしてくれていたのでそれについてコメントをしてみたいと思います。
まず,切り抜きですがひろゆきさんのコメントを貼り付けます。
ひろゆきさんの言っている内容をようやくすると以下の通りです。
- 工場では朝にラジオ体操をやることが多い
- 毎日やるのでラジオ体操をしなくてもいいと思えてくるがラジオ体操をすると事故率が減る
- 生産性を上げるのは難しいので事故などでラインを止めないことが重要
- ラジオ体操で体を動かすと注意力が戻ったりするので事故率が下がりラインが止まらなくなる
- ラジオ体操は習慣でやっているが重要なこと⇒習慣でやっているだけで無意味だと思い込むな
こんな流れの話をしています。これについて各項目に関して現役生技社員がコメントさせていただきたいと思います。
1. 工場では朝にラジオ体操をやることが多い
これは間違いありません。私は機械系の会社にいて全国に多くの工場を持っています。いろいろな工場を見て回ったこともありますが朝の体操をしていない工場はありません。
以下のような理由で工場では朝の体操を行います
- 朝は体がまだ覚醒していないので体を動かして起こす
- 工場内で一体感を出す(結構重要)
- ルーティンな作業をさせることで事故率が減ることが過去の教訓から分かっている
大体こんな感じです。この朝の体操は設計部門や現場,営業職でも全員やります。安全のためという点もありますが,同じ工場の人間であるという一体感を出すのにも役立ちます
2. 毎日やるのでラジオ体操をしなくてもいいと思えてくるがラジオ体操をすると事故率が減る
これもひろゆきさんの言う通りです。
朝の体操をする場合としない場合で事故の発生率が1.3倍ほど違うことが分かっています。もちろん体操をしないほうが事故の発生率が高いです。
そして体操をしないと朝に事故が発生する傾向が分かっています。また,けがなどもそうですが頭の覚醒も体操によって起こっていて,装置の操作ミスなども増えてしまいます。
そういった理由で朝の体操は必須なんですね。工場勤務になる方は設計や営業でもなぞの体操をすることは覚悟してください。頭の覚醒も兼ねているので全員やります。
3. 生産性を上げるのは難しいので事故などでラインを止めないことが重要
これは工場によりますね。1年間で生産性を1.5倍にできたこともあります。成熟していてラインの完成度が高い場合と無駄が多いラインでは結構変わりますね。
また事故でラインを止めないことは重要なのですが,それ以上に事故が起きると企業にいろいろと不利益が発生します。あまり事故が多いと省庁から是正勧告が出たりするのでどこの工場でも強制的に「安全第一」になります。安全第一の語源はこちら。
これまで多くの工場を見てきましたが安全第一って謳っていない工場は見たことありませんね。とりあえず形式的にだけでも絶対に張り付けてありますよ,上図のような張り紙が。
うちの工場だと安全担当の社員とかがいてめちゃくちゃ権力があります。社内で絶対に喧嘩してはいけない部署の1つです。工場で務める上で「あいつは安全を軽視している」というレッテルを貼られるとまじで社会人生活が終わります。
まぁまとめると生産性のために事故を起こさないというよりは事故が発生するともっと大きな損害が会社に発生してしまうというのが正確のような気がします。
4. ラジオ体操で体を動かすと注意力が戻ったりするので事故率が下がりラインが止まらなくなる
まぁこれは項目1,2で書いたのと同じくその通りです。
朝の体操をやる理由のメインですね。余談ですが工場を持たない企業(IT企業など)でも朝の体操はしたりするみたいです。
なんだかんだで体操するメリットって多いんですよね。
5. ラジオ体操は習慣でやっているが重要なこと⇒習慣でやっているだけで無意味だと思い込むな
いや本当におっしゃる通りです。
企業には無駄な慣習が多いですが,中には有用な慣習も多く,必ずしも無駄ではないんですね。
私の同僚でもこういった会社の文化に否定的な人がいて必ずやらなければいけない作業を簡略化して失敗した人がいました。
盲目的に従うのも問題な気がしますが本当に無駄な作業かは安易に判断しないほうがいいですよね。
しかしひろゆきさんの発言を聞いていると結構工場の運営にも精通しているようですごいと思いましたね。
これまでIT系の会社にいたと思うんですが知識の引き出しが多い! 言ってることも的を射てますし,尊敬します。
私の記事では他にも工場で働いているうえでの経験なども記事にしていますので興味があればぜひ見てみてください。