大学院のブラック研究室エピソード3選を紹介
大学院の研究室であるあるなブラックエピソードを紹介
世の中では多くのブラック企業があり,毎年のように労基がブラック企業を公開しています。世の中はブラック企業に対して年々厳しくなっており,昔ながらのパワハラが横行する企業は存続する事すら大変でしょう。
一方で大学・大学院の研究室は環境が全く改善されていません。まぁそれはそうですよね,大学院の研究室は研究のやり方を学ぶ場であって仕事をする場ではないのでハラスメントなんてそもそも存在しないはずです。
ただ,実際にはブラック企業も顔が真っ青になるほどの「詰め方」をされている研究室や,ブラック企業を笑い飛ばすほどの長時間業務(研究)が行われている研究室が存在します。
私は既に社会人になっていますが,大学院生だった時はかなり厳しい環境にいましたので当時のブラックエピソード3選を紹介したいと思います。
エピソード1 電話で学生の所在地チェック
まず1つめのエピソードとして「学生がどこにいるか定期的に電話して確認」されていました。冗談だと思いますよね?これ,マジですよ。
私が所属していた研究室は半導体の性能改善に関する研究を行っていましたが学生は全員教授の指示で自分にすぐ連絡がつく電話番号を提出していました。この番号に定期的に教授から電話がかかってきます,恐怖ですよね。
これで何が困るかっていうと就職活動です。まず,教授は就職活動はする必要がない,良い研究をしていれば企業のほうから声がかかるという主張をしてきます。一方で別に私が所属していた研究室って企業と共同研究をしていなかったのでどこの企業から声がかかるのか本当に謎でした。学会でも企業の人はあんまり参加していなかったのですが・・・。就職活動ではこの電話が厄介で,説明会の間は出れませんし,次回選考の電話と紛らわしくてストレスの原因でした。
また,教授の電話の恐ろしいところで「誰かと一緒にいるの?」とか「そこから何が見えている?」のように研究活動をしているか確認できるような証言を要求してきます。まぁここは慣れると適当な事を言えるようになるのでそこまで恐ろしくはなかったですが。
エピソード2 帰宅できないほどの研究生活
現在私は割とホワイトだと思える企業に所属できているので分かりませんがブラック企業の人は家に帰れないほど働いているのでしょうか。おそらく何日か帰れない事はあると思います。一方で私が在宅中に大学(というか研究室の1室)に連続で止まった日数は23日です。23連泊です。そこまでのブラック企業はさすがに珍しいのではないでしょうか。
23連泊って本当?って思う人が多いでしょうが,本当です。学内で研究成果を発表する機会があるのですが,そこでの学生の評価はそのまま教授の評価につながります。この評価に対して非常に敏感な教授(正確には准教授)はこの発表会に合わせて膨大な量の実験を指示してきます。私の研究室の教授は言う事をきかない学生を留年させる事で有名だったのでとにかくその指示通りの実験を行います。
ただ実験の量が膨大すぎて,朝8時から深夜2時くらいまでやらないとこなす事ができません。そのため私の研究室では寝泊まりする事が日常的に行われており,発表前の時に23連泊(同期では最高記録)を達成しました。大学内に寝るところがあって,私の研究室の学生が全員そこで寝ているのが風物詩のようになっていましたね。今考えると異常事態です。
こんな感じにもなっていました。ただ発表前だけは帰してくれます。身だしなみを整えるのとスーツを着る必要があるからです。
エピソード3 本当に留年させる
これが一番どぎついエピソードですね。これはほとんどのパターンで博士課程後期(ドクター)で横行していましたが,ほぼ全ての博士課程の学生は1年留年します。私の大学では博士の卒業条件として論文を最低でも2本論文誌に掲載させる必要があります。当然論文を出すには教授の許可が必要なので教授のさじ加減で留年させる事ができ,対外的にも「能力が足りないから留年」と言えてしまうのです。
正確には論文誌に出すには教授の名前を入れないのであれば学生個人でも申請(査読依頼)は出せてしまうのですが,そんな事は基本的に出来ません。教授のいいなりなのです,怖いですね。
私と同じタイミングで卒業する予定だった博士課程の先輩(私が修士2年のときに博士3年生)がこれと同じ手法でつぶされ,先輩は学生課(ハラスメント相談窓口)に通報したことで教授との関係が悪化⇒行方不明になるという流れが発生しました。
その事件が起こったのは卒業を控えた3月頭ごろだったのですが,研究室内が壮絶な空気になっていましたね。先輩は失踪して家にも帰っていなかったようなので現在でもどうなっているのか不明です。卒業シーズンに近付くにつれてノイローゼみたいになっていたので・・・。
私が所属していた研究室のブラックエピソードはこんなものです。恐らく読者様の中には「いや,もっとすごいエピソードあるぜ」という方もいらっしゃると思いますので是非コメントで教えていただけると幸いです。卒業したから笑い話ですが卒業できなかったら私も廃人コースでしたね。人生何が起こるか分からないものです。