ブラック研究室に洗脳されて就活で苦戦した友人の話

就活に有利な理系修士 それでも就活に苦戦してしまった友人の話

最近、修士時代の友人であるK君と会い、近況を報告し合ったので学生時代の事について書いていこうと思います。

K君とは所属していた研究室が異なりますが、私とK君は共にとんでもない実験量を行うブラック研究室に所属しており、キャンパスが保有する共有設備の設置場所で頻繁に顔を合わせていたので仲良くなりました。

これは就活生あるあるだと思うのですが、就活が始まって説明会とかに参加しだすと、普段口数が少ない人でも初対面の人とフランクに話せるようになりますよね。私も普段は口数が少ないのですがこの病気にかかって就活が終わるまでは謎のコミュ力を持っており、この力をもってK君に話しかけていました。

ただK君は私と違って就活に興味がなく、企業エントリーが解禁される12月にどこもエントリーしない、説明会にも参加しないという方針を取っていました。

ソース画像を表示

私視点ではK君の行動は理解不能で、K君は共有設備で会うたびに「就活何もしてないよ~」と言っていました。最初は実家が金持ちで親が就活を斡旋してくれるのか?とか思っていましたがそんな事もなく、しかも就活していない事を少し誇らしげにしているようでした。

いよいよしびれを切らした私は2月ごろにK君に対して「就活しなくていいの?」と聞きました。その時に驚くべき返事が返ってきました。

「就活はしなくても大丈夫! 良い研究していれば企業の方から声が掛かるらしいから!」

正直耳を疑いましたが、K君は本気の目で言っていました。K君の研究室の教授が同じことを言っているのは知っていましたが、K君は見事に洗脳されてしまったようでした。

本当に良い研究をしていたら企業からスカウトが来るの?

多くの大学で似たような事を言ってくる人はいると思います。

  • 就活なんてしなくていい!良い研究をしていたら企業から勝手にオファーが来る!
  • 学生の本分は勉強で就活じゃない!良い研究をして学会発表していれば就活している事になる!
  • 昔実験に没頭して就活をしていた学生がいたが、卒業間近になって少し就活したら大企業に入れたんだ!

こんな事を言ってくるはずです、教授陣は。

基本的に教授は就活なんてして欲しくないんですよ。学生は貴重な労働力で、就活を頑張られると2年しかない修士の期間を食われてしまうので。

ただ、昨今の就活事情を見ると教授推薦で入社する人なんてほぼ見ません。基本的には全ての学生が各企業の専攻フローに乗って就活をします。

そして企業視点で見れば、毎年採用する人数を決めており、その人数が揃い次第採用を終わらせます。そのため良い研究をしている学生は大企業が見捨てないみたいな事は基本的に起こらないんです。よほどその学生のやっている研究がちょうど採用したい人材像にマッチした場合は声が掛かる可能性がありますが、就職先は必ず研究している分野に固定されるというデメリットもあります。

ソース画像を表示

まとめてしまうと、基本的に良い研究をしていたら大企業が拾ってくれるなんていうのは都市伝説であり、たとえ拾ってくれても選択肢が狭められるだけという事です。

この例に漏れず、K君は必死に実験をしていましたが結局大企業から声が掛かる事はなかったです。

修士2年の10月頃、みんな修論発表に向けてデータ取得を行う一番の繁忙期にK君は就活を開始していました。しかしそんな時期に開始したって主要企業は採用を終わらせていますし、想定以上の内定辞退者が出ない限り募集もありません。

真面目に教授のいう事を信じ、実験を続けていたK君でしたがみるみる元気がなくなっていきました。

K君に訪れる転機 教授が助け舟を出す

そんなこんなで修士2年の12月ごろになるとどうやらK君に内定が出たという話が回ってきました。

その話を聞いてから少し経ったころ、K君と共有設備前で会い、教授の推薦で就職先が決まったという話を聞きました。

K君の研究室は准教授が切り盛りしており、あまり大きい企業とコネクションが少なかったため、共同研究をしている中堅素材メーカに教授から口効きして入社できるよう話を付けたようです。

一応私とK君が所属していた大学は結構レベルが高い国立大学だったので、学生はほとんど業界最大手レベルの企業に就職していきます。その中ではK君の就職先は少し小ぶりでしたがK君の進路が決まって一安心しました。そもそも大手に行くことが優れた道とは限りませんからね。

ただ、先日K君と会ったときにこの記事と同じような話をしましたが、やはり当時ちゃんと就活していたら良かったと本人も嘆いていたので教授の都合のいい話は皆さんも話半分程度で聞いたほうがいいと思います。

意識が高い学生ほどこのマインドコントロールにかかりやすいので、冷静に嘘を嘘と見抜いて学生生活を送るようにしてください。

なんか研究室時代の事を書くと大体暗い話になるのは何でなんだろうか・・・私の研究室にいた博士が失踪した話といい、となりの研究室の博士が3留した話といい・・・、私のキャンパスライフはどうなっているんだ・・・。

フォローしてくれると嬉しいです

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA