【世界の変人】50時間以上、180km泳いだ64歳の女性 ダイアナ・ニャドの伝説
「もう若くない。でも、夢は終わらない」──64歳で海を越えた女、ダイアナ・ニャドの伝説
ダイアナ・ニャドとは誰か?

ダイアナ・ニャド(Diana Nyad)はアメリカ出身のスイマーでした。
競技水泳の世界から30代で一度引退したものの、60代になってからまた新しい夢を見るようになりました。
彼女は元々35 kmのレースで女性記録を持つなど優秀なスイマーでしたが64歳になった彼女が掲げた目標はそんなレベルの物ではありませんでした。
彼女は64歳という高齢になりながら「人類史上初のキューバ~フロリダ間110マイル(約180km)遊泳横断」

という命の危険すらあるチャレンジを掲げました。
しかも保護用のサメのケージやウェットスーツを使用せずにというのだから驚きですよね。

周囲の反対を押しのけて彼女はこの計画を断行します。
キューバを出発してから52時間54分という丸2日間以上、波にもクラゲにも襲われながら泳ぎ続けてこの180km以上の遊泳を成功させました。
これは彼女にとって4回失敗した上で5回目の挑戦でもあり、人類初の快挙でもあります。
彼女はこの挑戦について
「人生で何か大きなことを成し遂げたい。年齢なんか関係ないって証明したい」
というその思いが潮に流され、幻覚に悩まされ、唇が腫れ上がる中でも、彼女を止めませんでした。

ちなみに彼女はこの成功をつかみ取るまでに
- クラゲに刺されて呼吸困難
- 嵐に巻き込まれる
- 顔が腫れ上がって視界を失う
などの数多くの問題でリタイアをしており、決してこの180kmの遊泳が簡単ではなかった事を物語っています。
しかしこの挑戦で彼女は何を伝えたかったのか、なぜやったのかを記者から聞かれて
「夢は年齢制限なんて知らない」
と夢を持った人間は止められない事を語っていました。
彼女の挑戦については2023年にアネット・ベニング主演の映画『NYAD/ナイアド 〜その決意は海を越える〜』としてNetflixで映像化もされました。
私たちは人生で何度も「無理だ」と思う瞬間に出会う事でしょう。特に社会人経験のある人なら分かると思います。
それでも、ダイアナ・ニャドのように、年齢や過去に関係なく、挑み続けることで“伝説”になることもある。
あなたが目の前にあると思っている壁は案外壊して進める物なのかも知れませんね。